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横断歩道の話

ある歩道にいまたっている。
先を見渡すと一面はただの人気のない一本道。

これはせいぜい幼稚園あたりまでだろう。

そこをずっと先へ進んでいくとひとつの、信号のない、白線だけの横断歩道がある。
見覚えがある。
過去に渡ったところだ。
右から左、左から右激しい勢いで車が行き交っている。

まるで激流だ。
思わず怖気づく。
そこを難なく渡る人が私の顔をなんで渡らないのだろうというような顔でじっとみている。
呆然と渡る姿を見ておもいきって渡ろうとこころみる。
突然クラクションが鳴った。脊髄反射そのままに後ろを退けぞく。
野次が飛ぶ。顔面が蒼白になった。
大恥をかいた、そう思うとこの場にいられなくなってきた。

今日はこの辺にしておこう、私はそう重い足取りで来た道へ戻っていった。。。

スポーツもやるまではこんなの何が楽しいだろうと不思議に思う。
しかし、やってみると癖になるおもしろさ。
体を動かすのが楽しい証拠である。

これは私が考えた「渡れない横断歩道」の顕著な共通点だ。
横断歩道は車の間隔さえわかれば渡れるものだ。
それには慣れが必要だ。最初に渡れたときの安心感はひとしおだ。
しかし、これを拒んでいたら慣れることもできないし、
前述のように野次を受けるだけの人生だろう。

人気のない道にぽつんと立っているだけで果たして生きられるのか。

こうして自分の考えた話を顧みてみるとひとつの大きな点に気がつく。
必要なのは努力ではなく、慣れだということだ。

以上思いつきに書いてみた。
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